
格安チケット
実は香港は初めてではなかった。3歳のとき、両親が会社の懸賞で当てたツアーでつれられて行ったことがあるのだ。そのときの記憶は
この大事な節目の香港に、妹のちーさんとしても行ってみたかろうと思ってさそってみたところ、香港だけは絶対イヤだという。なんでも私が高校の頃まわし読みしていたSM本に、香港で買い物中行方不明になって売春宿で発見された女子大生の小説が載っていて、当時中学生だった彼女はこの世にはそんなおそろしいところがあるのだといたくショックを受けたんだという。手足なくなって妊娠してつるっぱげでおなかがふくらんで気がくるって目があっちこっち向いたような挿絵があって、こっけいだけれど超コワイ挿絵は確かに私の記憶にもあった。そんなんウソだといっても彼女はがんとしてうけいれなかった。
晴美おばちゃんはうちの母の妹にあたり、フィリピンで登場した大輔の、本物の方の大輔のおかあさんである。そういえばおばちゃんとはずっと前に、次男が卒業したらひと段落つくのでソウルか香港にでも買い物ツアーに行こうと言っていたのを思い出した。電話して翌々日、彼女はパスポートの発行に走ることとなった。
空港につくとさっそく両替した。最近では成田空港のレートがあまりにも悪いことに気づいてきたので国内では両替しないことにして、現地についたら空港のカウンターで両替することにしている。 1万円札を3枚出すと、係員が紙を出してなにか書けという。おばは右下の欄を指差して係員が「3万円」と言ったというので「\30000」と書きこんでいた。私の記憶では欄の上にはSignitureと書いてあったはず。「ナマーエ」といわれたのが三万円と聞こえたのかもしれないけど、名前の欄におもいきり「\30000」と書いてあるのをすんなり受け取った係員って一体・・・?
空港を出るとタクシー待ちの行列。タクシーはひっきりなしにはいってくるけれど当分番がまわってきそうもない。バスはちょうどいいところを通る便がなさそうなので20分くらい待ってタクシーに乗りこんだ。 ちょうど私たちが行った期間中、近くで商業フェアみたいなものをやっていたせいでチムサアチョイのホテルは軒並み満室。やむなく油麻地のYMCAをとったがこれが大当たり。チムサアチョイからは2駅はなれているものの地下鉄の駅から2分でしかもいくつかの市場にもほど近い好立地。 しかもツイてることに、ついた初日、予約したタイプの部屋がちょうど満室だったのだ。おかげで無料アップグレードとなり、私たちは1晩だけ24階のスイートに泊めてもらうことになった。部屋に入って私たちは飛び上がった。10畳のリビングに10畳の寝室。寝室だけでも十分な広さなのにリビングには4人がけのテーブルセットに4人がけのソファセット。しかしその日はもう1時をまわっていた。しょうがない、夜食もなし騒ぎもせずに寝るのだった。
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さて、あけて初日の休みはとっていなかった。本当は出発の日も、半休か3時退社にするつもりだったけれどその日は健康診断の予定があって、健康診断がある日に仮病で中途半端な時間に帰るのも大変そうなので休んでしまったのであった。ということは2日も続けて前もって断りもなく休みにしてしまったことになる。香港から仮病使うとは私もいい度胸だ。 実家にかけて練習してから会社にかけてみる。香港から日本は、なぜかほかの国からよりも音質がわるくて、たまたま私の電話をとった女の先輩からは後日「音がわれてたけど携帯からだったの?」と尋ねられてしまった。携帯なんか持ってないのでとっさに「えっ!ええ!親の携帯で。実家で静養しようと思って。ちょうど迎えにきてもらって」などとありもしないことを次から次へと喋ってしまったのだった。ウソなんてつくもんではないのだくわばらくわばら。しかし先輩もまさか香港行ってると思わなかったでしょう。
起きると早速朝食に出発。おばちゃんはうそっ、と思うぐらい物怖じしないところがあって、朝っぱらからまさかと思うような屋台村に入ることになった。シンガポールでいうホーカーズみたいな感じだけれど、それよりはるかに暗くて古くて不潔な感じ。そもそも地元のひとだって、市場のおばちゃんならともかく「女性」ってな格好したひとははいりそうもないところだ。
![]() そこへずんずん入っていって、おかゆやさんの前についてしまったので意味不明のメニューを指差してひとつずつおかゆをたのんでみる。コレが意外とおいしい。11元(ドル)払ったので200円といったところか。相席のじいちゃんがおつりを一生懸命教えてくれた。となりのテーブルの学生ふうの青年は私たちがあまり場違いで気になるのかしばしば振り向いている。 おかゆの具をひっぱりあげてこれなんだろ?と言っていると、じいちゃんは「ユエ!ユエ!」と教えてくれた。そういえばどこかの国で魚のことをユエっていうんだったなあ。あれは中国語だったんか。そういえば古文で魚を「いお」と読んだけど、「ユエ」と音が近いなあなどと発見しているうちに朝食が終わった。 スーパーでちまちま買い物をし、一旦もどることにしたが、なにしろ暑い。こんなに暑いと思っていなかったので、サンダルがほしくて靴屋にはいり、どさくさにまぎれてサンダルとローファーを買ってしまった。それぞれ3000円くらいだった。
戻ると部屋をかわるよう言われた。こんなすばらしい部屋に、寝ただけでくつろぎもしなかったのはもったいなかったが、香港にいながら部屋でくつろいでいるのはもっともったいない気がして、写真をとって19階のタワーツインに移動した。ちょうどスイートの寝室ぶんぐらいの部屋だけど十分十分。ちょっと窓からの光の入り具合がちがって明るさが減ったけれど、ふとっちょの私とおばちゃんがどたばた歩いても不都合ない程度の広さ。
朝のおかゆが消化されてしまったので第2ラウンドに出かけた。食堂でしおからい麺を食べ、ディスカウントショップでこんどはドクターマーチンをみつけてしまった。1足だけの半端もののようでサイズが合わなければそれまでよという品なんだけれど、はいてみたらぴったり。憧れのドクターマーチン$300!こんなに靴ばっかり買ってどうするんでしょう。
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